このような場合に不動産登記をします。

家を新築した→建物表示登記+所有権保存登記*1
家の建築資金として金融機関からローンを借りた→抵当権設定登記
住宅ローンの返済が終わった→抵当権抹消登記
不動産を所有している家族が亡くなった→相続による所有権移転登記
土地・家を購入した(または売却した)→売買を原因とする所有権移転登記
親*2・配偶者*3から土地・家屋の贈与を受けた→贈与を原因とする所有権移転登記
*1:建物の新築時には、表示登記と所有権保存登記を行います。表示登記は土地家屋調査士の業務です。

*2:相続時精算課税制度 65歳以上の親が20歳以上の子である推定相続人に生前贈与する場合に、2,500万円までの非課税枠が利用できます。この場合は、贈与税の申告が必要です。

*3:配偶者控除 婚姻期間20年以上の夫婦間で、居住用不動産を贈与した場合、最高2,000万円までの配偶者控除が受けられます。この場合は、贈与税の申告が必要です。

登記の費用

登記の費用には、大きく分けて以下のようなものがあります。

@登記手続報酬・書類作成報酬(司法書士がいただく手数料です。)

A登録免許税(国に納める税金です。固定資産評価額に基づいて計算される場合と不動産の件数に基づいて計算される場合があります。税率は登記の原因によって異なります。)

Bその他実費(登記事項証明書、登記情報の事前確認、戸籍謄本・住民票の写し・固定資産評価証明書等の取得費用など)

それぞれのケースによって大分異なりますので、詳しいご事情をお聞きした上でお見積りさせていただきます。

権利証ってもうないの?

 平成16年に公布された(新)不動産登記法では、オンライン申請(インターネットを通じた電子申請)を原則にしています(紙での申請もできる)ので、できるだけ書類を使わない申請方法をとろうとしています。従来は、登記が完了したときに、登記所(法務局)が「登記済権利証」(いわゆる「権利証」)を発行していましたが、登記の申請がオンラインでできる登記所では、(紙で)登記の申請をしても「登記済権利証」は発行されません。その代わりに「登記識別情報」という英数字12桁のパスワードが発行されます。このパスワードは、書類で発行される場合と電子データで発行される場合があります。電子データで発行される場合は、そのパスワードが暗号化されます。書類で発行される場合は、パスワードが印字された部分に上からシールが貼られて発行されます。そのシールをはがすと、二度と同じようにそのシールを貼れなくなります。シールをはがすと、誰でもそのパスワードを見て、使えるようになりますので、いわば「権利証」がいくつもでき上がったのと同じことになってしまいます。そのような危険なものなので、受け取った後、決してシールをはがさずに保管しておいてください。万が一シールを誤ってはがしたり、はがされているのを見つけたときは、登記所に届け出れば、その登記識別情報を失効させることができます。失効させたら、再発行はされません。

 そのような危険なものなので、最初から「もらわない」という選択もできます。その場合はあとからほしいと思っても、発行されることはありません。その不動産を売却・贈与したり、担保に入れたりしなければ、登記識別情報を使う機会はありません。所有者が亡くなって、相続するときには、登記識別情報は不要です。

 従来の権利証をお持ちの方は、その権利証は有効ですので、大切に保管してください。

権利証(登記識別情報)をなくしてしまったら?

 権利証または登記識別情報を紛失しても、再発行はされません。権利証または登記識別情報がなくても、登記をする方法はあります。以下の2とおりの方法があります。

@事前通知

 権利証または登記識別情報を添付せずに登記申請した場合、現在の登記名義人に登記簿上の住所へ登記所から「こういう登記申請がなされましたが、間違いありませんか?」という通知が本人限定受取郵便で届きます。その通知に「間違いありません。」という趣旨で実印を押して、登記所に届ければ、登記が完了します。

A本人確認情報

 登記申請を代理する司法書士が、現在の登記名義人に面会して、公的身分証明書(住民基本台帳カード、自動車運転免許証、パスポート等)で本人に間違いがないことを確認して、その旨の書類(本人確認情報)を作成します。その書類を添付して登記申請すれば、権利証または登記識別情報がなくても登記ができます。この場合は、@よりも費用が余計にかかります。金融機関の担保設定等の場合には、この方法を使わざるを得ない場合があります。

 

 もし、権利証もしくは登記識別情報を泥棒に盗まれてしまった場合は

@権利証の場合

 その不動産を管轄する登記所(法務局)に盗難の届を出してください。その不動産に関する登記が申請されたときに、登記名義人に通知されます。しかし、その登記申請が受理されなかったり、却下されるという効果はありません。

A登記識別情報の場合

 至急その不動産を管轄する登記所(法務局)に失効の申し出をしてください。その登記識別情報は使えなくなります。ただし、失効前に使われたら、あとは裁判で争ってください。

登記は、いつまでにしなければならないのですか?

不動産登記には、表示の登記と権利の登記とがあります。

このうち、表示の登記は、土地の広さや地目、建物の種類や構造、床面積を登記することで、土地家屋調査士の仕事です。これは、建物を建てたときから1ヶ月以内、変更があったときから、1ヶ月以内に申請しなければなりません。1ヶ月を過ぎたからといって、登記できなくなるわけではありません。

 

権利の登記は、所有権やその他の権利の設定、移転、消滅等を登記することで、司法書士の仕事です。これには、登記申請の期限というものはありません。いつまでにやらなければならない、という規則はありません。というのは、権利の登記というのは、登記した人は権利者として保護されますが、権利を受けたのに登記をしない人は、法律上の保護を受けられない、という性質を持っています。これを、登記の対抗力(民法第177条)といいます。ですから、法律の保護を受けたい人は、早く登記をした方がよいのです。せっかく権利を得たのに、登記をしないで放置している間に、他の人に先に登記されれば、登記した人に負けてしまいます。

 

相続により、不動産の所有権を得た人が、何年も登記をしないで放置しておいたら、次第に登記をするのが難しくなってきます。長い年月のうちに、さらに相続が発生して、相続人の相続人が次第に増えていきます。一度もあったこともない人が相続人になっていることもあります。遺産分割協議をしようと思っても、次第にやりにくくなりますし、行方不明の人がいる場合は、さらに余計な手続きや費用がかかります。相続によって不動産を取得された方は、早く遺産分割協議をして、登記を済ませておいた方が、問題を残しません。

 

抵当権の抹消の場合は、抵当権者から抹消登記のための書類を受け取ったら、なくさないうちに登記申請した方がよいと思います。長い年月が経過してしまうと、抵当権者が移転したり、会社名が変わったり、最悪の場合、倒産や解散して、会社が消滅してしまうこともあります。それでも抹消登記は可能ですが、余計な手続きと費用がかかります。ローンを完済したら、早めに抹消登記申請をしましょう。

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