砂川事件判決は、集団的自衛権を認めているか?

満点教授「これで憲法の平和主義についての講義を終わります。質問はありませんか?」

学生「砂川事件の最高裁判決では、最高裁が集団的自衛権を認めているという見解がありますが、本当にそうなんでしょうか?」

満点教授「確かにそんなことを言っている政治家はいますが、最高裁は砂川事件判決で集団的自衛権については争点として判断していないですよ。君、砂川事件の争点はなんだか知っていますか?」

学生「はい。米軍基地に無断で立ち入った行為が、日米安全保障条約に基づいて定められた特別刑法に違反したという事件で、日米安全保障条約が憲法9条に違反するか否かが争点でした。」

満点教授「そうですね。その判決の中で、最高裁は、日本は9条2項で戦力の保持を禁止されている。自分で自分の国を守ることもままならないので、米軍に守ってもらうというのが日米安全保障条約だ。米軍には日本政府の指揮権、管理権が及ばないので、米軍は9条2項で禁止された戦力ではない。だから、日米安全保障条約は明らかに憲法9条に違反するとは言えない、と言っています。」

学生「あくまで日本をどう守るか、という個別的自衛権だけが争点になっているんですね。米国が他国から攻撃されたときに日本が武力行使できるか、という問題には触れていないのですね。」

満点教授「そうです。日本が自分の国を自分でも守りきれないから米軍に守ってもらうのが安保条約なのに、日本が米国を守れるわけがないでしょう。それができたら、日本は9条2項で保有が禁止されている『戦力』を持っていることになりませんか?」

学生「確かに、判決文を全部読めば、集団的自衛権は判断の対象外だということがわかりました。ありがとうございました。」

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